わたしは、あることにとてもあこがれている。それは、野生のアケビに出逢い、その実を採ること、食べることである。しかし、わたしはいまだにアケビの実を採ったことが一度もない。
今年の春、わたしがカナナルに入った頃のことです。わたしは、カナナルに通う道に初めて「ミツバアケビ」を発見した。その頃彼は赤い情熱の花を咲かせていた。まるでアケビに燃えるわたしの心みたいに・・・。それから時が流れて夏、強い(日射し)暑さにも負けないで、彼はそこに生えていた。麗しの実を付けて・・。まだ実は小さく未熟だ。でも来たるべき時に向けてその実は成長してゆく。そんな彼の姿はいつの日か毎日働くわたしの心の励みになっていた。わたし自身もカナナルで働いて彼のように成長したい。そんな思いを抱いている。
しかし、彼には心配事もつきない。それは野生であるがゆえに、刈り取られてしまわないか、除草剤を撒かれて枯れてしまわないかなどの心配である。それでもきっと希望の実が熟す日がくることを祈りつつわたしは、今日も彼の前を通り、カナナルへと向かう・・・。
・・後編に続く・・ ペンネーム 松風草